Do-Clinic 道家です。
本日第6回骨粗しょう症マネージャー試験の合格発表があり、当院から4名の骨粗しょう症マネージャーが誕生しました!
山崎副院長、藤本看護師、中村看護師、藤原看護師の4名です。
おめでとうございます!
さて骨粗しょう症マネージャーについてご紹介します。
骨粗しょう症診療は、現在の超高齢社会の日本にとって、健康寿命を延ばし、介護なく自立した生活が送れる高齢者を増やすためには不可欠なことです。
骨粗しょう症になることで、骨が弱くなり、ちょっとした転倒などで骨折が起きやすくなります。
背骨の骨折により背中が丸くなったり、一つ骨折を起こすと、2つ、3つと別の部位も骨折を起こしやすくなる骨折の連鎖が生じやすくなります。
また股関節の骨折では、手術が必要となりますし、手術をしたとしても歩行能力がガクッと落ちてしまうことがほとんどで、介護が必要となってしまいます。
また股関節骨折後は、寿命も短くなることが報告されており、1年以内に25%の方がすでに亡くなられてしまうと報告されています。
骨粗しょう症による股関節の骨折は、がんよりも怖いケガと言えます。
そういった骨折を予防するには、骨密度を測って、骨粗しょう症を早く見つけること、早く治療をすることがとても大切です。
骨粗しょう症患者さんは、50代女性の5人に1人、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人、80代女性の3人に2人は骨粗しょう症と言われています。
しかも骨粗しょう症は症状が乏しいので、無症状で進行してしまい、骨折をして初めて気がつく方がほとんどなんです。
現在骨粗しょう症患者さんで、治療をされている人は15%程度の人しかいないことが報告されています。
また骨折をしたあとや、骨密度検査をして骨粗しょう症と診断されたあとでも、骨粗しょう症治療が行われていなかったり、すぐやめてしまう人が多いことも、大きな問題となっています。
そういった骨粗しょう症治療の重要性を啓発していったり、治療継続のために連携を図ったりすることが骨粗しょう症マネージャーの役割です。
医師としても患者さんに骨粗しょう症治療の重要性を説明しますが、やはり時間が限られるため、詳しい説明ができない現状があります。
当院では、診察後に看護師から、骨粗しょう症の病態、治療の重要性、治療方法などを説明し、患者さんの理解が深まるよう工夫をしています。
このように多職種で骨粗しょう症診療を行っていくことをリエゾンサービスと呼びます。
まだリエゾンサービスを行っている施設はほとんどないのが現状です。
当院では以下のような職種がそれぞれ自分の専門分野から骨折をなくすために、骨粗しょう症診療に力をいれています。
①看護師・・・治療の重要性の説明やくすりの説明、今後の治療方針の説明など
②理学療法士・・・転倒予防のリハビリ介入
③事務・クラーク・・・骨粗しょう症診療の啓発
④薬剤師・・・薬の説明や継続の重要性
⑤放射線技師・・・背骨と股関節の正確な骨密度検査や新しい骨質の検査
⑥ソーシャルワーカー・・・患者さん担当ワーカーさんと連携をとり、治療を行っています
⑦栄養士・・・骨粗しょう症栄養セミナーを定期的に開催し、栄養の面からのサポートを行っています
⑧内科医・・・骨粗しょう症を起こしやすい内科合併症がある方の紹介治療などの連携
⑨歯科医・・・骨粗しょう症薬の合併症を防ぐための連携
⑩薬屋さんメーカー・・・最新のデータや新しいくすりなど日々知識のアップデートの協力
これだけ多職種のスタッフが関わってリエゾンサービスを行っている施設は札幌で当院だけだと自負しています。
骨粗しょう症マネージャーが誕生しましたので、より詳しくわかりやすく患者さんのみなさんに治療の重要性を伝えていきたいと思っています。
一人でも多く骨折を防げるようスタッフ一丸となって、骨粗しょう症診療に力をいれていきたいと思います。
骨粗しょう症かどうか調べたことのない方や、骨粗しょう症治療に心配がある方など、お気軽にご相談ください。