本日は3月11日 東日本大震災から9年が経ちました 毎年のことですが、当時を思い出します
私は当時は市立室蘭総合病院で勤務していて、地震発生時は手術中でした すぐ手術をやめることはできなかったのですが、手術中に大変なことになっていますと聞かされたのをよく覚えています その後勤務地にも患者さんが運ばれてくることを想定し待機をしていたことを思い出します 今後どうなってしまうのだろうと不安に思っていたものです
現在も世界中で新型コロナウイルスの発生件数が増えていく中で、今後の経済の影響を考えるとどうなってしまうのだろうと当時と同じように不安に思います
ただ心配していてもなにも変わらないですので、今だからこそできること、整形外科の医療機関としてできることを探していきたいと思います!
先日からInstagramで「コロナに負けるな! 自宅でできる運動法」を連日アップしています 外出を控えている方も、運動能力が落ちないように自宅内でも運動を頑張りましょう 免疫を高めるためには、運動は必須です
また私は肩関節を専門として多くの患者さんをみてきて思うことがあります 俗にいう「五十肩はそのうち治る」という間違った知識です
肩痛がでても五十肩だからそのうち治ると思い経過をみていて、悪化してから病院を受診される方が多くいらっしゃいます
これまでの経験上、五十肩は、時間がたって動きの制限が強くなってから来院された患者さんは、早い段階で受診された患者さんよりも治療期間が長くかかります
五十肩はたしかに自然によくなる場合もありますが、半数以上は動きの制限が残ると言われています 早めの受診と適切な介入で、早期治癒が見込めると考えます
そのうち治ると自己判断せずに、早めに一度受診をオススメいたします
整形外科クリニックとして、市民の方々が少しでも不自由なく日常生活が送られるように、また早く改善できるように正しい知識を発信していきたいと考えています
HPでは発信しておりませんでしたが、2020年1月から「財界さっぽろ」さんで、医療連載コラム「整形外科医が勧める健康寿命の延ばし方」を掲載させていただいております
3月15日発売の4月号では、「五十肩は自然に治らない!」というテーマで書かせていただきました
下記に原文を掲載したいと思います
参考になれば幸いです
五十肩は自然に治らない 新型コロナウイルスの余波で、運動不足の人が増えることを危惧しています。運動不足で筋力が落ちて、姿勢が悪くなり、肩が上がらなくなるという人はとても多いです。 「五十肩はそのうち治る」と思っている方は多いですが、約半数は適切な治療をおこなわないと動きの制限が残ると言われています。したがって「五十肩は自然に治らない」のです。 そもそも「五十肩」は俗称で、正しくは「凍結肩」や「肩関節周囲炎」と呼ばれています。肩の周りに炎症が起きて、関節の痛みや動きが悪くなることを総じて「五十肩」といいます。数日で治るものから、肩がガチガチに硬くなる場合もあります。中には「腱板断裂」といった腱の損傷が原因だったり、石灰がたまることもあります。 痛みの原因となる病態はさまざまです。腱が切れていたり、石灰がたまっていても全く痛みがない人や画像診断では問題がなくても痛みが続く人もいます。 肩の痛みの原因は「求心位」という言葉がキーワードです。肩は肩甲骨のお皿と上腕骨のボールから構成されています。このお皿とボールの位置関係がズレていると求心位が悪くなり、痛みが生じます。五十肩は筋肉のこわばりや炎症によって筋肉のバランスが悪く、この「求心位」がとれていない状態です。バランスが良くなれば早く治り、悪ければ症状は長く続きます。 筋肉のバランスに大切なのが姿勢と肩甲骨の動きで、肩の痛みを訴える人の多くは姿勢が悪く、肩甲骨の動きが悪いです。 バランスを獲得するための治療はリハビリです。五十肩を我慢していると筋肉のこわばりが強くなり、リハビリにも時間がかかる場合が多いです。早期から適切なリハビリができればその分治りも早いと考えます。 当院では医師と理学療法士が連携して肩の治療にあたっています。肩の痛みにお悩みの人は、お気軽にご相談ください。
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