みなさま、こんにちは。
Do-Clinic栄養担当の小松でございます。
4週に渡って、『免疫力を高める食生活』について書かせていただいております。
免疫力を高めるためには食生活以外の要素が多く、食生活を改善するだけで免疫力が高まることはありません。しかし、食生活の改善も重要な要素であり、「腸内細菌を良い状態に保つ食生活」にターゲットを絞って解説をさせていただいております。
【腸内細菌に良くない食生活】
前回は食事で「腸内細菌にエサを届けて」、「便秘を解消する」ことが腸内細菌を良い状態に保つ話をさせていただきました。
また、「規則的な食事」と「毎日の運動」が「便秘を解消する」ために重要であることも加えております。
では、腸内細菌に良くない食生活とはどのようなものでしょうか。
例えば、朝食は“トースト”と“コーヒー”、昼食は軽目に“ざるそば”、夕食は“ごはん”軽く1膳と“おかず”を2、3品。
一見普通の食事に見えますが、「腸内細菌を良い状態に保つ食事」とはかけ離れているようです。
・朝食にグルタミン、食物繊維、オリゴ糖がありません。
・昼食にもグルタミン、食物繊維、オリゴ糖がありませんし、この朝食や昼食の内容や量が“三時のおやつ”を必要としてしまいます。
“三時のおやつ”を“市販のお菓子”にすると、グルタミン、食物繊維、オリゴ糖がありません。
・夕食はグルタミン、オリゴ糖、食物繊維をしっかり含んでいることになりますが、この朝食、昼食、三時のおやつでは、どうしても夕食のボリュームがアップしてしまい、翌日の朝食時にお腹が空いていないという悪循環を作ってしまうのです。
実はこのような食事が便秘を助長してしまっているのです。
ではどうすれば良いのか。
【朝食のアレンジ】
できれば朝食は“パン”ではなく“ごはん”にすることをお勧めしますが、どうしても“パン”にするのであれば、“目玉焼き”や“牛乳かヨーグルト”、“野菜入りのスープ”などを追加すると、そこそこ良い食事になるかもしれません。
ここであえて“サラダ”と書かなかったのは、一般的な“サラダ”ではそれほど多くの食物繊維をとれないからです。
ちなみに食物繊維が多そうに感じる“レタス”は96%が水分なので、“レタス”を食べて食物繊維を食べた気になっている方は、実は水分補給をしているということになるのです。
火を入れることで小さくなった野菜を食べることで、十分な食物繊維を食べることができるということです。
“パン”ではなく“ごはん”にして“みそ汁”を追加できれば、この問題は簡単に解決できます。
【昼食のアレンジ】
一般的に昼食から夕食までの時間は、朝食から昼食までの時間より長くなってしまいます。
できれば夕食時に極端な空腹状態にならないような食べ方がお勧めです。
三時のおやつで繋ぐためには、おやつの内容を考えなければなりません。
“ざるそば”よりも“天せいろ”にすることで、夕食までお腹を持たせることができます。
更にえび天があればグルタミン、大葉やかぼちゃ、ごぼう天であれば食物繊維やオリゴ糖をとることができます。
巷ではローカロリーがヘルシーという認識が普通ですが、ローカロリーは決して健康的ではありません。
「“天せいろ”?! “ざるそば”の方がヘルシーじゃないの?」というのは間違いで、お菓子や夕食のドカ食いを誘発するだけで、ちっともヘルシーではないのです。
【夕食のアレンジ】
“ごはん”と“おかず2、3品”で問題はありませんが、“ごはん軽く1膳”は問題です。
“ごはん”を軽くすることで、お腹を満たすためには“おかず”1品、1品の量が増えてしまいます。
「“ごはん”は太るのでは?」とよく言われますが、“ごはん”を食べ過ぎることは大変です。
“おかず”を食べ過ぎることは簡単で、例えば200g程度の“ハンバーグ”と“ごはん”どんぶり1膳では“ハンバーグ”の方が高カロリーなのです。
更に“ごはん”には“あぶら”が少量で、“ハンバーグ”には“あぶら”が大量です。
太るのは“あぶら”の方が原因です。
つまり、“ごはん”はしっかり1膳、“おかず”は少し控え目に2、3品がベストなのです。
夕食は盛り方だけをアレンジしましょう。
これらの“アレンジ”でグルタミン、食物繊維、オリゴ糖を十分にとることができ、「腸内細菌を良い状態に保つ」ことができるのです。
もちろん、毎日の運動はお忘れなく。
【腸内細菌を良い状態に保つために】
ここまでをまとめて考えるなら、「ごはん(主食)」、「メインのおかず(主菜)」、「野菜を使ったメインではないおかず(副菜)」を毎食揃えて、毎日運動することが、何より「腸内細菌を良い状態に保つ」ことになるということをご理解いただけましたでしょうか。
乳酸菌、発酵食品、サプリメントなど、何かをひとつ摂ることで腸内細菌が良くなることは期待できません。
また、今日から食事を改善して、明日には腸内細菌が良い状態になることもありません。
余談ですが、テレビ番組などで紹介される食の情報は、ほとんどの場合、その番組のスポンサーの意向に沿ったものでなければならず、生理学的に正しいか否かは問題になりません。
また、食品会社のテレビCMを見ない日がないように、食品会社がスポンサーになっていないテレビ番組はほとんど存在しません。
「あれがいいらしい、これがいいらしい」はCMに踊らされていることになるのです。
「なんだかつまらないなぁ…」と感じた方もいらっしゃると思いますが、毎日コツコツが続けることが「免疫力を高める食生活」なのです。
この写真の食事が日常になることが腸内細菌を良い状態に保つために効果的なのです。
とはいえ。
このレシピを掲載しても、どなたも興味がわかないと思いますので、次回(最終回)は、今までの内容を全て取り入れた、“美味しいレシピ”を紹介させていただきます。