乳児股関節検診
乳児股関節検診
当院では超音波を用いた乳児股関節検診の2次検診を行っています。股関節検診とは、発育性臼蓋形成不全(先天性股関節脱臼)をみつけ、将来の後遺症をなくすものです。現在札幌市では4ヶ月検診の中に組み込まれており、そこで発育性臼蓋形成不全の疑いがある場合には、2次検診で整形外科を受診する流れとなっています。以前は先天性股関節脱臼と呼ばれており、生まれつき脱臼していると考えられていました。しかし現在では生後の脚の姿勢や動きを妨げてしまうことで、徐々に脱臼が生じる場合が多いことがわかっています。したがって発育性(発達とともに)臼蓋(股関節の屋根の部分)形成不全(形が悪く脱臼などを生じる)と呼ばれています。装具を用いた治療を行いますが、発見が遅かった場合は、入院治療や手術治療が必要になる場合があります。
これまで整形外科では身体所見とレントゲンの撮影を行うことが一般的でしたが、乳児の股関節は軟骨成分が多いため、レントゲンではほとんど映らず、評価が正確にはできないのが欠点でした。しかし近年の超音波技術の発達で、軟骨や靭帯などを鮮明に評価することができるようになりました。当院でも超音波を使った評価が可能です。さらに発育性臼蓋形成不全症の治療介入は、発達初期であれば早ければ早いほうがよいと言われています。したがって4ヶ月検診より前でも、超音波であれば評価が可能であるため、心配な方は早期に受診していただいても構いません。早期では生活指導で治療が可能な場合もあります。
発育性臼蓋形成不全症を疑う所見
1 股関節が開きづらい(オムツ交換などで脚が左右に開きにくい、開きに左右差がある)
2 太ももの皮膚のしわの線の数や位置、深さが左右非対称
3 血縁者に股関節脱臼の方がいる、股関節の手術をした方がいる
4 女の子
5 骨盤位分娩・骨盤位帝王切開(正常と頭の位置が逆で生まれた場合)
1がある方、または2〜5で2つ以上あてはまる児は受診をおすすめします。
検診内容
・身体診察
・超音波検査
・レントゲン検査(必要であれば)
価格
・4ヶ月検診の2次検診として受診された方は自己負担なし
・4ヶ月検診より前に受診された方で子ども医療費を適応の場合は580 円(税込)
・高額所得者は2 割負担約2,800 円
乳児股関節検診をご希望の方は
お電話(011-222-3334)にてご予約ください。