当院では、「運動機能をリハビリで治す」ことが診療の柱であり、たとえ関節変形があったとしてもほとんどの場合がリハビリで症状の改善が得られています。
しかし損傷してしまった組織は、リハビリだけではなかなか治すことができないのが現状です。
近年では医学の進歩に伴い、バイオセラピーと呼ばれる再生医療が話題となっています。
整形外科でも例外なく、再生医療が普及してきました。
その代表となるのが、PRP治療と呼ばれるもので、大谷翔平選手や田中将大選手が治療をして話題になりました。
PRP治療(多血小板血漿)は、血液の中の血小板という成分に含まれる成長因子を注射して、組織治癒や炎症抑制を期待する治療です。
PRP治療でも、成分の違い、濃度の違いなどからさまざまな種類があります(APSやACPなど)。
費用も5万円程度〜30万円程度までさまざまで、効果もばらつきがあります。
しかし、PRP治療を行うには、国へ申請や毎年の報告が必要であり、申請費用も高く、とても煩雑なんです。
そのために価格が高騰しているといっても過言ではないと思います。
そんな欠点を解決してくれたのが、セルソース社が作成しているPFC-FD療法です。
PFC-FD 療法は、血小板の中から組織治癒や炎症抑制の効果の強い成長因子を取り出し、濃縮し、フリーズドライ化(粉末状)にしたものです。
PRP治療よりも、成長因子が約2倍と多く、保存もできる、申請不要(正確にはセルソース社が申請を代行)とメリットが多くあります。
採血から治療までに約3週間かかってしまうというのが難点なので、急性外傷の治療には不向きですが、そもそも身体には治癒能力がありますので、正しく治療を行えば組織修復が期待できます。
症状が長引く際に、治癒を促す目的で行う治療がPRP治療ですので、しっかりと適応を見極めた上で行う治療だと考えています。
そして、4月1日から従来のPFC-FDよりも、数倍も成長因子の量が多いPFC-FD(2.0)が使用できることになりました!
当院では、「自分が受けたい医療提供をすること」を意識し、できるだけよいものを提供したいと常々考えております。
したがって、当院ではPFC-FD(2.0)を行っていくこととしました。
PFC-FD(2.0)を使用するタイミング
当院の強みであるリハビリ治療を行いつつも、改善が乏しい場合、関節水腫(水がたまる)が持続する場合、手術を避けたい場合などが、よい適応と考えます。
また、将来の関節変形を予防する目的で使用していただいてもよいと考えています。
PFC-FD(2.0)の適応疾患
・変形性膝関節症
・変形性肩関節症
・上腕骨外側上顆炎
・アキレス腱炎
・骨癒合の遷延している骨折
など
PFC-FD(2.0)が行えない方
・血小板機能不全の方
・重度の血小板減少症の方
・がんの治療中、感染症の治療中の方
など
PFC-FD(2.0)の価格
1部位 165,000円(税込)
PFC-FD (2.0)の流れ
① 注射の検討(スタッフにご相談ください)
② 注射の決定、医師より同意書の説明
③ 9〜10時ころに来院され、採血(一部位で49ml)→当院で検体を郵送
④ 約3週間後、PFC-FD TM(2.0)が到着したのち、超音波をみながら患部に注射をします。
⑤ 注射後特に制限はありません。
⑥ リハビリ治療を継続していき、経過をみていきます。
PFC-FD (2.0)は、価格は高いですが、その効果は強く出てくれるものと考えています。
症状の改善、維持に新しい再生治療 PFC-FD (2.0)をぜひ体験してみてください。
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